傷病手当金と障害年金

病気やケガで働けなくなって収入が減った、なくなった場合でも、日々の生活費などは変わらずかかります。そうした場合の保障として、公的医療保険制度には「傷病手当金」が公的年金制度には「障害年金」があります。

会社員・公務員などが受給できる傷病手当金

協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などに加入する被保険者本人が、病気やケガで仕事を休み、給料などが減額または支給されない場合には、その間の生活保障費として公的医療保険から「傷病手当金」を最長1年6ヵ月間受け取れます。

 

一度職場復帰して再度休んだ場合でも受け取りを開始した時点から1年6ヵ月が限度となります。なお、健康保険組合や共済組合などによっては、付加給付として受給期間が延長される場合や、金額が上乗せされる場合があります。

 

傷病手当金支給期間の通算化

2022年1月から傷病手当金の支給期間が通算化されます。

 

 

 

今までは受け取り開始日から1年6ヶ月が限度でしたが、復職後に同一の病気や怪我に関して、支給期間が通算して1年6ヶ月まで支給されるようになります。

受給条件(4条件)と受給額

下記4条件にすべて該当したときに受け取れます。

 

①病気・ケガで療養中のとき(自宅療養中も含む)

 

②療養のために仕事に就けなかった(今まで従事していた仕事に就けない場合)

 

③連続3日間仕事に就けなかったとき(3日間は「待期期間」、その後の休業日が対象)

 

④給料などが減額・不支給のとき(給料などが傷病手当金より少ない場合はその差額を受給)

 

 

休業1日あたり、「月給(標準報酬月額)÷30日」の3分の2相当額を受給できます。

 

障害厚生年金と障害基礎年金

病気・ケガの初診日が公的年金加入中にあって、一定の障害状態になったときには障害年金を受け取れます。

 

障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」があります。

 

会社員や公務員など厚生年金加入者は障害厚生年金と障害基礎年金の2つを、自営業者など国民年金加入者は障害基礎年金を受け取れます。

 

なお、60歳以上65歳未満(年金制度に加入していない期間)の人で、日本国内に住んでいる間に初診日があれば障害基礎年金を受け取れます。

受給の条件(2条件)

下記2条件に該当していれば受け取れます。

①障害の原因となった傷病の初診日から1年6ヵ月を経過した日、またはそれ以前に症状が固定した日(これらを障害認定日といいます)に一定の障害状態になっていること

 

②保険料納付要件を満たしていること

ただし、20歳前に初診日がある場合、保険料納付要件は問われません)

 

※保険料納付要件とは

初診日の前日において、次のいずれかの要件を満たしていることが必要です。

(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること

 

(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

受給できる年金額

障害厚生年金受給額(2021年4月から)

【1級】

(報酬比例の年金額) × 1.25 + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※

【2級】

(報酬比例の年金額) + 〔配偶者の加給年金額(224,700円)〕※

【3級】

(報酬比例の年金額) 最低保障額 585,700円

 

※その方に生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるときに加算されます。

 

障害基礎年金受給額(2021年4月から)

【1級】 780,900円×1.25+子の加算

【2級】 780,900円+子の加算

 

※子の加算

第1子・第2子  各 224,700円  第3子以降 各 74,900円

 

子とは次の者に限る

18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子

20歳未満で障害等級1級または2級の障害者