成年後見人等に選ばれる人は家庭裁判所が選任します

成年後見人等は、本人のためにどのような保護・支援が必要かなどの事情におうじて家庭裁判所が選任します。

 

本人の親族以外にも、法律・福祉の専門家その他の第三者や福祉関係の公益法人その他の法人が選ばれる場合もあります。成年後見人等を複数選ぶことも可能です。

また、成年後見人等を監督する成年後見監督人が選ばれることもあります。

 

※成年後見監督人とは、「後見人が行う事務を監督するために、家庭裁判所によって選任された人」のことを言います。選任された後見監督人は、後見人が行う事務の内容をチェックし、定期的に家庭裁判所に報告します。

 

なお、後見開始等の審判を申し立てた人に置いて特定の人が成年後見人等に選ばれることを希望していた場合であっても、家庭裁判所が希望通りの人を成年後見人等に選任するとは限りません。希望に沿わない人が成年後見人等に選任された場合であっても、そのことを理由に後見開始等の審判に不服申し立てをすることはできません。

 

成年後見人等の役割

成年後見人等は、本人の生活・医療・介護・福祉など、本人の身の回りの事柄にも目を配りながら本人を保護・支援します。

 

具体的には、本人の不動産や預貯金などの財産を管理したり、本人の希望や体の状態、生活の様子等を考慮して、必要な福祉サービスや医療を受けられるよう、介護契約の締結や医療費の支払などを行ったりします。

 

但し、食事の世話や実際の介護などは、一般に成年後見人等の職務ではありません。

 

また、成年後見人等はその事務について家庭裁判所に報告するなどして、家庭裁判所の監督を受けることになります。

 

成年後見の申し立てする方がいない場合

身寄りがないなどの理由で、申立てをする方がいない認知症の高齢者、知的障碍者、精神障害者の方の保護・支援をするため、市町村長に法定後見(後見・保佐・補助)の開始の審判の申立権が与えられています。

 

各種資格を失う制度はなくなりました(令和元年)

これまで、各種の法律において、成年後見制度又は保佐制度を利用することにより、医師、税理士等の資格や公務員等の地位を失うなど本人の権利を制限する規定が定められていましたが、令和元年に法律が改正され、上記権利を制限する規定は削除されました。

 

今後は、各資格・職種・営業許可等に必要な能力の有無については、個別に判断されることになりました。