ブログセミナー・パート③

①の15,956円は、駐車場使用料などの各種使用料を管理費会計に組入れた場合の平均値です。

 

②の10,862円は、駐車場使用料などを除いた「管理費」として毎月徴収される平均値です。

 

駐車場使用料などは本来、将来の維持修繕費用として積み立てておくべきものです。

 

ところが殆どのマンションでは、駐車場使用料などを管理費会計に繰り入れて、事務管理業務費や管理員業務費、清掃業務費、建物設備の保守点検費などの費用にあてられています。

 

マンションによっては、管理費会計の50%前後が駐車場使用料などで賄われています。

駐車場使用料などに頼るのは危険です。駐車場の空きが増えて使用料の大幅な減収も考えられます。

 

また、駐車場使用料を管理費会計に流用することで、見かけ上「管理費」が安く設定されていると多くの区分所有者は誤解してしまいます。

 

駐車場使用料も含めた上での「管理費」は将来の値下げ要求に備えて高めに設定されています。

 

無駄な費用項目はないか、割高な費用項目はないかなど厳しくチェックする必要があります。

 

①の11,243円は修繕積立金の平均値です。

②は修繕積立金を段階的に増額する方式を採用しているマンションの比率です。

そして③は計画値に比べて修繕積立金残高が不足しているマンションの比率です。

 

管理費とは違い多くのマンションでは分譲当初、修繕積立金はかなり低めに設定されています。

 

理由は、住宅ローン・管理費・修繕積立金合わせた月々の支出額を低く抑えて売りやすく、買いやすくするためです。

 

多くのマンションでは1回目の大規模修繕工事で修繕積立金会計は底をつきます。ですから必ず大幅な値上げを必要とします。

 

ですが、住人の高齢化に伴い年金生活者の比率も高くなり、値上げ案が承認されにくくなってきます。

 

ですから管理費も含めて無駄な支出を減らし、早めの対策が必要となります。

大規模修繕工事とは主に建物の劣化などを補修するために、足場などを組んで行う12年~15年毎に行われる工事のことです。

 

少し前までは、10年毎に行うべきものと言われてきました。現在は12年毎に行うことを国土交通省では推奨していますが、実際のところでは、12年毎には行うことができず、15年前後で行われるケースが多いようです。主な理由は資金不足です。

 

一方、建築補修技術の進歩などで15年周期、18年周期で行うことも研究されています。

 

1回目・・・100万円  2回目・・・150万円  3回目・・・250万円の数字は、平均的な1戸当たりの必要工事金額となります。築年数が20年、30年、40年と経過すればするほど修繕対象範囲が広くなり、修繕方法も複雑化してきます。

 

また、大規模修繕工事とは別に給排水設備、エレベーター、機械式駐車場の更新(設備を入れ替える)する必要もでてきます。その必要金額は規模にもよりますが、数千万円から億円規模になります。

 

これらのことも含めた長期修繕計画及び資金計画をしっかりと早めに立てておく必要があります。

 

莫大な金額となりますので、早ければ早い程対処しやすくなります。