2018年の国土交通省実施の調査によると、実に76.8%のマンションがトラブルを抱えています。
居住者間のマナーに関わるトラブルが1位で55.9%のマンションがこの問題を抱えています。
その内容のベスト3は1位「生活音(騒音)」が38.0%、2位違法駐車・駐輪」が28.1%3位「ペット飼育」が18.1%となっています。
実はマンションは建物構造的に戸建てよりもトラブルが起こりやすい住空間です。
マンションは近所付き合いなどが必要ないとしてマンションを選択される方がいますが、近所付き合いはしなくても良いかもしれませんが、気配りは戸建て以上に必要です。
そして、この手のトラブルに際して、住人が住人に注意するのは注意しずらく、管理会社に何とかしてとなるのですが、管理会社もこの手の問題には及び腰で、積極的に関わってくれません。
知識も経験もあるマンション管理士などが解決にあたるのが適切かと思います。
いずれにしても、日頃からのより良いコミュニティ作りが最も大切です。
築30年超えのマンションは2016年173万戸でしたが、2021年235万戸、2031年には406万戸になる見込みです。
築50年超えのマンションは2016年3万戸から2031年には106万戸と実に35倍以上に増加します。
築年数が経過すればするほど、大規模修繕工事費用増大や給排水設備・エレベーター・機械式駐車場などの更新も必要となり、億円規模の修繕積立金が不足するマンションが増えてきます。そうなると大規模修繕工事や給排水設備更新工事などの実施延期や中止となり、資産価値が著しく低下することが予想されます。
そうなると買い手も借り手も不在となり、マンション内の空き家が増えてスラム化したマンションが激増することが懸念されています。
マンション住人の高齢化問題とは何でしょうか?
世帯主が65歳以上の高齢者世帯は2010年の1620万世帯から2025年には2015万世帯と400万世帯増加します。1.2倍となります。
マンションの多い都市部では1.3倍の増加です。
マンションに住む世帯主の50%以上が60歳以上でした。(平成25年調査)
マンション住人の高齢化は修繕積立金などの負担能力低下を招き、修繕工事の実施延期・中止となり、資産価値が低下します。さらにはマンション住人の死亡、相続放棄に伴う空き住戸の増加、スラム化へと繋がることが懸念されます。
あなたの住むマンションの20年後、30年後はどうなっているでしょうか?
あなたが住むマンションが築20年としたら、築40年、築50年です。
3回目、4回目の大規模修繕工事を行う前後の時期となります。給排水設備の更新も検討しなければならないかもしれません。
莫大な費用をかけて大規模修繕工事や給排水設備の更新を行うべきか、住人の費用負担は可能なのか?
周辺の既存分譲マンションや新築分譲マンションと比較して、設備面・立地面で見劣りしているかもしれません。一方で高齢化が進み修繕積立金の追加負担が困難な居住者も多く、空き住戸も目立ってきているかもしれません。
あなたの住むマンションを最終的にどうするのか?
建替えするのか?長寿命化するのか(100年マンション化)?それとも取り壊して敷地売却するのか?
終活(出口戦略)を考えておく必要があります。
住人の構成としては、高齢世帯もあれば、まだ若い世帯もあるかもしれません。
それぞれの立場があり、合意形成するには時間が必要です。
早めにしっかりとマンションの終活(出口戦略)を考える必要があります。
管理会社は考えてくれません。自分たちが考えるしかありません。