マンションと空き家問題

空き家846万戸の内、,一戸建が317万戸(37.5%),長屋建が50万戸 (5.9%),共同住宅が475万戸(56.2%)と なっています。

 

空き家は共同住宅(マンション)の方が多い

空き家と言うと一戸建てのイメージがありますが、実は共同住宅の方が158万戸と多いことが分かります。

 

横浜市立大学教授の齋藤広子氏は、「マンションの空き家率は10%なら管理組合の対応で何とか問題を表面化しないで進められるが、10%を超えると日常的に管理組合運営が困難となり、20%を超えると長期的な展望もそれに向けた取り組みも難しくなり、負のスパイラルに陥りやすくなる。さらに空き家化が進むとエレベーターが止まり、ガス・電気・水道も止まり、居住が困難となり、自力での再生は難しくなる」と述べています。


二極化するマンション

『100年マンション(日経プレミアム)』の著者、長嶋修氏によれば

 

①価値が維持又は上昇する不動産グループ(10%~15%)

②徐々に価値がおちる不動産グループ(70%)

③無価値又はマイナス価値となる不動産グループ(15%~20%)

 

の3つに分かれてい行くと予測されています。

 

さらに、2025年頃には、中古マンション市場の活性化策で宅地建物取引業法の改正で「総会・理事会の議事録」「修繕の実績と積立金額」「長期修繕計画」などマンション管理の具体的資料について、不動産取引時の公開を義務付ける動きを予想されています。

 

※現在は管理組合にこれら資料の公開義務はありません。

 

これによって管理状態の良し悪しがマンション価格に反映され、さらには、金融機関によるマンション担保評価も管理レベルに応じて格付けされることなども予想されています。

 

すなわち管理レベルの良いマンションは担保評価も高く、より多くの借り入れを得られるというようになれば、ますますマンション格差が生まれてくるようになります。

 

一方2027年頃よりは、築30年超えとなるタワーマンションも増え始めます。特注品である高速エレベーターや高圧給水システムなどの交換なども必要となり、修繕積立金が不足するマンションも現れはじめます。

 

タワーマンションでも持続可能なマンションとそうでないマンションに分二極化してきます。

 

築40年、50年のスパンでみれば、結局、「持続可能なマンション」か「そうでないマンション」に二極化していくものと思われます。

 


今から準備を

あなたの住むマンションを最終的にどうするのか?

 

2030年頃には、空き家戸数は約1,750万戸、3戸に1戸弱が空き家となる予測もあります(野村総合研究所)。容積率に余裕があり、立地条件の良い極一部のマンションでなければ、「建替え」という選択肢はないと思います。

 

◎「長寿命化(100年マンション)化」するのか

◎「60年~70年で取壊し・敷地売却」するのか

 

マンションの終活を考え始める必要があります。

 

合意形成は恐らく容易ではありません。10年単位の時間が必要です。。

ですが、なにもしなければ、最悪な状態になるのは間違いありません。

 

初めの一歩

あなたの住むマンションの現状把握から初めてみませんか?

 

①長期修繕計画の内容確認

 ・計画期間・作成時期・工事項目・工事予算

②一般会計(管理費会計)と特別修繕会計(修繕積立金会計)の内容確認

 ・収入項目と収入金額・支出項目と支出金額・残高