
不動産コンサルティング会社のさくら事務所(東京・渋谷)の土屋輝之・マンション管理コンサル タントによると、こうした業界の慣習が始まったのは少なくとも20年以上前にさかのぼる。
設計コ ンサルは管理組合から工事会社の選定や施工監理などの依頼を低価格で受ける代わりに、管理組合 から見えない形で工事会社から総工事費の1〜2割を非公式で受け取っているケースがあるという。
一般的に、大規模修繕工事をすると決まったら業界紙などに工事の情報を載せて施工会社を募集し ます。
施工会社は工事の情報を見て応募し、管理組合は複数の施工会社の見積もりなどを確認して 最適と判断した発注先を選びます 。
一見、公正な選び方に見えますが、裏では複数の施工会社と設計コンサルがグルになっていて、決まった施工会社が工事を落札できるよう価格調整する『出来レース』が行われているのです。
管理組合に 伴走する設計コンサルや管理会社なども入札で決まりますが、 多くの場合、施工会社からのバックマージンの収入を前提にしているので、 管理組合に提示するコンサル料金は格安です。
設備更新工事でも、管理会社でも

大規模修繕工事に限らず、建物の中小規模修繕工 事や設備更新工事でも同じです。
管理会社は社内の設計コ ンサル部門や取引のある設 計コンサル会社を紹介する 。
工事会社も管理会社より 紹介される 。
受注した工事会社は紹介手数料やバックマージンを管理会社に支払う。
紹介手数料やバックマージンはケースにより様々ですが、5%~20%程度です。
管理会社は多数の取引先(管理組合)を持っていますので、工事会社は、管理会社の要求を断ることは困難です。
工事会社も営業コストを考えれば、管理会社の指示に従っておけば、一定の受注が見込めます。
管理会社は、管理組合向けに複数の取引先(工事会社)に見積書を作成提示させます。
しかし、今回はA社に受注させるなどシナリオが決まっており、いわゆる「出来レース」となります。
管理組合として、これからのマンション管理において重要なのは、コスト管理「⼒」のアップです。
建物設備の老朽化と住人の高齢化、「2つの老い」を迎える 管理組合として資金計画は最重要課題です。
より少ない費用でマンションの資産価値を維持向上することです。
なぜなら管理費・修繕積立金の値上げには、限界があります。 一方で管理委託費や修繕費の支出を「0」にはできません。
そこで、無駄・割高の支出を継続的に抑制することが重要で、そのための 大事な一歩が専門家(マンション管理士)による継続的組合運営支援です。
マンション管理士管理者サービス

マンション管理士管理者サービスや理事長代理サービス・顧問サービスの活用 で 長期修繕計画の定期的見直しと、毎年 の実績確認で、マンションの資金計画改善を推進支援します
また、工事費・管理委託費を継続的にチェックし削減します。
そして組合員のマンション管理への関心度 をアップします。
大規模修繕工事を初めとした各種談合、それに伴う無駄・割高な工事費を抑制する「キモ」は、住民がマンション管理に関心を持つことです。
マンション管理に関心もてば、多くの課題が解決できます。

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