区分所有法改正と建物財産管理

今回の区分所有法改正では、専有部分の保存・管理の円滑化を目的として、他の区分所有者の専有部分の保存請求や区分所有者が国外にいる場合における国内管理人選任の仕組みなども導入された。

他の区分所有者の専有部分の保存請求

現行法では、自己以外の区分所有者の専有部分の「使用」を請求することはできあるが、「保存」行為を求めることまではできない。

 

例えば、専有部分にある給排水管の補修を請求することまではできない。これをできるようにした。

 

専有部分の使用等を伴う共用部分の管理(配管の全面更新等)

高経年の分譲マンションで、給排水管の更新工事を行う場合、共用部分の給排水管だけでなく、専有部分の給排水管も同時に行う方が良い。

 

しかし、現行方では、専有部分に属する給排水管の交換工事は、各区分所有者が行うべきものと解されるため、専有部分の交換工事に同意しない場合は、その部分の工事を行うこおとができないという問題がある。

 

そこで、共用部分の管理に伴い必要となる専有部分の工事は、規約で定めがある場合は、総会の決議で行うことができるようになる。

区分所有者が国外にいる場合の国内管理人制度

海外在留邦人や海外投資家の区分所有者が増加している。そのため、区分所有者の連絡先が不明であったり、通知が届かないケースが増大している。

 

そこで、区分所有者が国内に住所または居所を持たない場合は、国内に住所等を持つ管理人を選任できることとした。

 

管理規約で国内管理人を選任することを義務化することができる。

 

国内管理人は、保存行為や総会招集通知の受領などができる。

 

管理組合法人による区分所有権等の取得

管理組合法人による区分所有権等の取得が集会の決議できるようになった。

 

決議要件は、出席者の区分所有者及びその議決権の3/4以上の多数で決議できる。今までは全員の賛成が必要だった。

 


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