マンション管理会社の役割

「マンション標準管理委託契約書」は、マンションの管理をマンション管理業者に委託する際に、管理組合とマンション管理業者との間で委託契約書として交付する場合の指針として、国土交通省により作成されたもので、平成15年4月に改訂されています。

 

ほとんどの場合、この指針をベースに委託契約書が作成されています。

 

委託業務は、基幹事務と基幹事務以外に大きく分けられ、次のような内容となっています。

マンション標準管理委託契約

基幹業務  管理組合の会計の収入および支出の調停
  収支予算の素案の作成
  収支決算の素案の作成
  収支状況の報告
出納
  管理費、修繕積立金、専用使用料その他の金銭の収納
  管理費滞納者に対する督促(ただし、長期滞納者は除く)
  通帳などの保管
  経費の支払
  帳簿などの管理
マンションの維持又は修繕に関する企画又は実施の調整
  マンションの劣化などの状況に基づいた工事内容等の助言
  建物設備劣化状況の調査診断及び長期修繕計画作成(ただし、別契約)
  見積書の受理、発注の補助、工事実施の確認
基幹業務以外 理事会支援
  組合員などの名簿の整備
  理事会の開催、運営支援
  管理組合の契約事務の処理(損害保険契約など)
  総会の開催、運営支援
各種点検・検査などに基づく助言
各種検査等の報告、届出の補助(消防計画等の届出)
図書等の保管等(管理規約原本等の保管)
管理員業務(組合員の届出書類等の受付、外注業者の立会など)
清掃業務(日常清掃、特別清掃)
建物・設備管理業務
  建物の外観目視検査
  特殊建物定期調査(建築基準法)
  特殊建築物の建築設備定期検査(建築基準法)
  エレベータ設備点検(建築基準法)
  給水設備点検・検査・清掃(水道法)
  浄化槽、排水設備点検・検査・清掃(浄化槽法)
  電気設備点検(電気事業法)
  消防用設備の点検(消防法)
  機械式駐車場設備の点検

苦情対応

実際の所は、これらに加えて、居住者間のマナー違反に対する対応やクレーマーからの理不尽な要求対応など、本来は管理組合側で対応すべき問題も対応しているのが現状です。

 

 

その結果、管理担当者(フロント・マン)は、これらの「苦情対応」に追われてしまい、マンション管理会社が行うべき最も重要な業務に十分な時間が割かれずに、毎年過去の事例に添ってこなすだけというマンネリ化した状態に陥っています。

 

 

マンション管理会社が行うべき最重要業務は、前記記載の「基幹業務」であり、基幹業務以外では、「建物設備管理業務」です。


管理会社が行うべき役割

これからのマンション管理方式では、管理会社は基幹業務と基幹業務以外では、建物設備管理業務をメインに管理員業務、清掃業務を担当頂きます。

(表の青色文字以外の部分が管理会社に担当頂きます)

 

マンション管理士は、理事会及び総会支援業務、各種点検検査に基づく助言や報告届出の補助、各種図書の保管、苦情対応などを行います。

(表の青色文字の部分と苦情対応はマンション管理士が担当します)