分譲マンションの高齢化も年々進んでいます。
国土交通省の2018年のマンション総合調査結果では、世帯主の年齢では
①60歳代が27.0%②50歳代が24.3%③70歳以上が22.2%で、60歳代以上が49.2%(約5割)となっています。
そして、マンション築年数が古いもの程、高齢化の比率は高くなっています。
昭和54年以前建築のマンションでは、60歳上は77.8%、約8割でした。
永住意識は年々高まっており、2018年調査では、62.8%の人がいま住んでいるマンションに「永住するつもり」だと答えてます。
40歳代、50歳代でも半数近くの人が永住するつもりのようです。
「マンション」は「戸建て」へのファースト・ステップとの考え方がありましたが、今やひと昔前の話となっています。
日本全国における高齢化は今後どのようになるのでしょうか?
【高齢者人口】
2025年には65歳以上の人口が、3650万人強となり、全人口の30%強となります。
その内、75歳以上の後期高齢者の人口が、2,200万人弱となり、全人口の20%弱となります。
実に5人に1人が75歳以上となります。
【高齢者のみ世帯数】
世帯主の年齢が65歳以上の高齢者のみ世帯数を見ると、
2010年の1040万世帯から300万世帯増加して1346万世帯になります。
その内、単独世帯数は、498万世帯から700万世帯と200万世帯も増加します。実に1.4倍となります。
この傾向は、団塊世代が多く住む、都市部分譲マンションにおいて顕著となります。
また、高齢者の単身世帯化に伴う、孤独死に対する対策も重要な課題です。
【孤独死(埼玉の団地の例)】
●80歳の男性が死後1年近く経過して発見された。
●男性の部屋の近隣は空き室が多く、発見が遅れた。
●同団地では、死後1週間以上発見が遅れた孤独死は、この男性を含めて3件目であった。
●同団地は築後50年となり、老朽化で空室が目立っていた。
マンション管理組合として、コミュニティ形成を図り、相互扶助機能を高めることが求められています。
エレベータの設置、スロープの設置、手摺の設置など共用部分のバリアフリー化対応はもとろんのこと、居住者の日常生活を支えるコミュニティの形成も管理組合の重要な活動内容となってきます。
例えば、近隣住民も含めた高齢者が参加する各種サークル活動やボランティア活動の実施。
居住者自身や管理員による専有部分の電球交換、家具移動、簡単な修理対応、ゴミ収集、買物支援などの家事サービスなどの実施も検討する必要があると思います。