違法駐輪

違法駐車と同じく違法駐輪の問題もよく起こる問題です。

 

発生頻度を考えれば、違法駐車の問題解決より優先されなければならない問題かもしれません。

 

違法駐輪の問題は、まず、「部外者による違法駐輪の問題なのか」、「居住者による違法駐輪の問題なのか」に分て対策を考えなければなりません。

部外者により違法駐輪

駅に近いマンションなどでは、部外者による違法駐輪や違法駐バイクも多く見られます。

 

■駐輪シールの定期的な再配布

 

まずは、部外者の自転車・バイクかどうか見分けなければなりません。

 

多くのマンションでは、居住者の自転車・バイクかどうか見分けるために「専用ステッカー」を配布していると思います。

 

但し、居住者の中には既に不要になった自転車をそのまま放置したり、退去された方が置いていってしまったケースなどもありますし、逆に「専用ステッカー」が剥がれてしまいそのままにしている方、自転車を買い換えた方で「専用ステッカー」を貼っていない方などもいます。

 

そこで、毎年の総会時などに「専用ステッカー」を一新して、必要枚数分各戸に配布します。

 

こうすることで、居住者や元居住者の不要自転車も把握することができ、続けることで、居住者の不要自転車が置かれなくなります。

 

最新の「専用ステッカー」のない自転車は、「違法駐輪自転車スペース」に移動します。

 

■自転車・バイクの撤去

 

さて、明らかになった部外者による違法駐輪自転車・バイクですが、「すぐに廃棄処分」という事はしていないことになっています。

では、どういう手順で撤去処分するかですが、

 

①「私有地内の違法駐輪です。○月○日までに撤去しない場合は処分します」などの警告文を違法駐輪自転車・バイクに貼り付けます。

⇒この時、警告文を貼り付けた後の写真も撮っておきます

 

②念のため、マンション内のエントランス掲示板や各戸へポスティングするなどして、居住者の自転車・バイクが処分対象になっていないか確認してもらうようお知らせします。

 

③その自転車・バイクが盗難車両やなんらかの犯罪に関わっている可能性もありますので、警察にその旨を届けます。

 

④「持ち主の方は○月○日(1ヶ月程度の期間)までに管理組合に連絡の上、移動して下さい。期間を過ぎた場合は所有権を放棄されたとみなし、廃棄処分します」の警告文を違法自転車・バイクに貼り付けます。

 

⑤期限を経過しても持ち主が表れない場合は処分可能となります。

 

また、違法駐輪自転車・バイクには、チェーン・ロックをかけ、持ち主がロック解除を管理組合に問い合わせきた場合は相応の駐輪代と二度と違法駐輪をしないことを約束させる。

 

居住者による違法駐輪

■駐輪スペース不足

 

一方、居住者による違法駐輪の問題は、スペース的な問題から1世帯につき1~2台までという制約があるマンションが多く、マンション入居から5年ほど経過した頃から、子供の成長とともに、自転車置き場不足の問題が顕在化してきます。

 

 

■自転車盗難

 

自転車の盗難が頻発すると、誰も駐輪場に置きたくなくなります。その結果、玄関先の共用廊下や非常階段の踊り場などに駐輪するきっかけとなります。

 

■迷惑駐輪

 

駐輪場が荒れてしまうと、使い勝手が悪くなり、特に新しい自転車や高価な自転車は置くことを避けるようになります。その結果さらに、共用部分に勝ってに駐輪することが多くなってきます。

よくあるのが、角部屋など突き当たりになっている住戸が、他人に迷惑にならないからといって置き始め、そうでない住戸も連鎖反応的広がっていきます。

 

■エレベーター使用の問題

 

自転車のマナー問題として、エレベーターの使用があげられます。

管理規約・使用細則で規定していない場合、否定派・容認派それぞれの意見があり揉める原因となります。

 

エレベーター使用否定派の意見 エレベーター使用肯定派の意見

・自転車置き場を利用すべき

・自転車が乗り込んで来ると狭く、ラッシュ時などは大変迷惑

・接触することで、怪我をしたり衣服が汚れる恐れがある

・エレベーターが傷つく恐れがある

・自転車置き場にスペースがない

・自転車置き場は使いづらい(立体式など)

・盗難やいたずれの恐れがある

・高価な自転車なので室内で保管したい

・ベビーカーやスキー・サーフィンなどと同じ家財の運搬にあたる

これらの問題の根本原因は、駐輪場のスペース不足です。

 

■不要自転車の撤去と必要台数の把握

 

部外者による違法駐輪や居住者の中には既に不要になった自転車をそのまま放置したり、退去された方が置いていってしまったケースなどもあります。

定期的にこれらをチェックして、不要自転車は撤去しましょう。

専用ステッカーの配布時に、自転車スタンドと専用ステッカーにナンバリングして、完全登録制にして、自転車所有者と自転車を把握するとともに、不足台数をアンケート調査する。

 

■自転車置き場の防犯対策

 

盗難やいたずら防止のために次のような防犯対策を充実させます。

・自転車スタンド(パイプ)を設置してチェーンでくくりつけられるようにする

・防犯カメラ・ライトを設置する

・入口に鍵付きの扉を設置する

・道路から遮蔽する

 

■駐輪場の増設

 

アンケート調査結果などから、無駄な投資とならないよう、駐輪場の増設を検討する。

増設スペースを確保するには、緑地・通路・来客用駐車場・空き駐車場などをの転用を考える方法と平置きから立体化(上下2段)する方法があります。

但し、立体化の場合は、割り当てる場合に、女性・子供・お年寄り等に配慮した割り当てが必要となります。

 

■駐輪場の有料化と値上げ

 

駐輪場使用料の有料化や値上げもひとつの方法です。

メリットは次のようなことがあります。

・自転車台数増加の抑止効果

・放置自転車および所有者不明自転車の明確化

・増設費用等の財源としての公平性(未利用者に対して)

・新たな収入源(一部を管理費へ)

 

■レンタサイクルシステムの検討

 

宅配ボックス大手・フルタイムシステムの無人レンタルサイクルシステム「フレンツ」

 

は、第3の解決策かもしれません。

 

違法駐輪の問題は、なるべく早急に対処しなければなりません。時間をおけばおくほど状況は悪くなります。

また、規制するばかりでなく、根本的な問題解決にも取り組まなけれななりません。