公的医療保険制度の概要

公的医療保険は会社などに勤めている人が加入する「被用者保険」、地域保険とも呼ばれ、農家やフリーランス、非正規雇用者、会社を退職した人などが加入する「国民健康保険」、75歳以上を全員対象とする「後期高齢者医療制度」の大きく3つに分けることができます。

 

 

もし民間の保険しかなければ、病気にかかりやすい人はより高額な保険料を提示され、保険そのものにも加入できないかもしれません。日本では、国民全員の参加で成り立つ国民皆保険制度があるため、安心で安全な医療サービスを少ない費用負担で受けられることができるのです。

被保険者(加入者)と保険者(運営者)と保険料

各保険制度の加入者と運営者は図の通りとんります。

 

国民健康保険の運営者は市区町村ですが、後期高齢者医療制度の場合は都道府県になります。

 

被用者保険の保険料は月給および賞与に保険料率を乗じたものとなります。

 

保険料率は各運営者によって異なります。

 

保険料は原則、労使折半です。

 

国民健康保険の保険料は、市町村により異なります。

後期高齢者医療制度では、都道府県により異なります。

 

任意継続被保険者制度

任意継続被保険者制度は、健康保険の被保険者が、退職後も、引き続き最大2年間、退職前に加入していた健康保険の被保険者になることを選択できる制度のこと。

 

解雇や退職に伴う無保険状態を回避できる他、会社に勤務していたときと同じ健康保険給付を受けることができる等のメリットが期待できます。

 

一方で、「原則2年間は資格喪失ができない」という点に、被保険者にとって若干使いづらさの感じられる制度となっていました。

 

この点、2022年4月の法改正によって2年以内でも、被保険者が任意で資格喪失できるようになりました。

自己負担割合

小学校入学後~69歳までは、3割負担。小学校入学前は2割負担です。

なお、子どもの医療費については、市町村によって小学校卒業まで・中学校卒業までなど自己負担分への補助があります。(自己負担なしの場合もあります)

 

70歳以上で現役並所得者の場合は、3割負担となります。

一般(現役並み所得者以外)であれば、74歳までは2割負担。75歳上は1割負担となります。

 

【現役並み所得者の判定】

世帯に1人でも住民税の課税所得が145万円以上の人がいると「現役並み所得者」となります。しかし、1人暮らしで年収383万円未満、2人世帯で年収520万円未満であれば、申請することにより、一般の扱いとなり1割または2割の負担になります。

 

【2022年10月~2023年3月⇒一部後期高齢者の窓口負担が2割に】

1人暮らしで年収200万円以上~383万円未満の人は、2割の負担になります。

複数人世帯の場合は、年収320万円以上の人は、2割の負担になります。

 

1人暮らしで年収200万円未満の人は、1割負担のままです。