住宅宿泊事業法(民泊新法)成立

いよいよ、住宅の空き部屋やマンションの一室を利用して旅行者を宿泊させる「民泊」のルールを定めた住宅宿泊事業法(民泊新法)が2017年6月9日、参院本会議で可決成立しました。施行は2018年1月の予定です。

 

これにより、民泊ホスト(提供者)は都道府県に届出することだけで年間180日を上限として合法的に民泊運用することができるようになりました。

これまでとの違い?

これまで、民泊を合法的に行うためには、①特区民泊の仕組みを活用するか、②旅館業法の簡易宿所免許をとるか、2つの方法しかなく、そこそこハードルの高いものでした。結果、実情としては、現在ある民泊施設のほとんどが違法民泊という状態でした。(都市部では98%が違法営業

 

新法が施行されれば、民泊ホスト(提供者)は届出だけで営業可能となります。一方民泊ホストに代わって物件を管理する住宅宿泊管理業者は国土交通省への登録が義務付けられます。また、AirBnBなどの住宅宿泊仲介業者も官公庁への登録が義務付けられます。

 

無許可民泊が横行していた日本の民泊市場も今回の法整備により大きく状況が改善され、合法的に民泊事業が拡大推進されることが期待されています。

 

既に、新法施工後の民泊市場を見越して「マンスリーマンション+民泊」などの新たなスキームも登場したり、これまで、慎重な姿勢を見せていた大手の旅行・不動産関連企業が新たに参入する構えを見せたり、民泊ホスト向けの融資や保険など金融関連のサービスの充実も期待されているようです。

提供日数180日という上限

旅行者への宿泊提供日数は年間180日という上限があります。つまり、マンションの空き住戸などを民泊として180日を超えて提供できないことになっています。180日を超えて提供すると違法民泊となり、行政処分などの罰則が適用されます。

 

さらに、この180日という上限は、各自治体が条例により引き下げることも可能です。

 

ですので、新規に物件を購入してビジネスとして運営していくには、厳しすぎるとの声もあります。

 

但し、既に所有している遊休物件があるなら、遊ばしておくより少しでも収入があった方がよいと思う物件オーナーは沢山いるはずです。

住居専用地域でも営業OK

旅館業法や特区民泊による場合は、住居専用地域で営業できませんでしたが、民泊新法では、住居専用地域でも営業できるようになりました。

 

ですから、あなたが住む、閑静な住宅街にある戸建て住宅やマンションでもある日突然、民泊営業が開始される可能があるということです。

管理規約違反不存在の確認

分譲マンション(区分所有建物)の住戸を民泊施設として登録する場合は、管理規約違反 でないことが確認できなければなりません。となっています。

 

注意しなければならないのは、管理組合の承諾書のような文書が必要であるという意味ではないことです。

 

あきらかに管理規約に違反していなければ、OKということになります。

 

ですから、あなたの住む分譲マンションで民泊営業させたくなかったら、管理規約に民泊営業は管理規約違反であるという条文を追加しておくべきです。