マンション完成後も入居できない

工事が完成すれば遅くとも2,3カ月後には、引渡しを受けて入居開始となるのが分譲マンションの今までの常識ですが、引渡し時期を先延ばしされる物件が出てきました。

 

舞台は東京JR恵比寿駅徒歩7分に位置する、住友不動産が手掛けるタワーマンション「シティタワー恵比寿」です。

 

物件が完成したのは、2019年3月。同年2月時点で契約していた顧客には、2019年5月に引渡しましたが、以外の顧客に対しては、引渡し時期を2020年4月に先送りしました。さらに現在は2021年4月と完成後2年先に2度目の先送りをしています。

 

他にも「シティタワー東銀座」は2019年1月完成の物件ですが、2020年7月から2021年4月に。

 

など全部で9物件が引渡し時期の先送りがされているそうです。

何故?決算調整(お腹が一杯)

不動産会社が売上計上するのは、引渡し時点です。契約時点ではありません。

 

住友不動産は、業績が堅調で2019年3月は6期連続で過去最高益を更新しています。

 

オフィスビルの賃貸事業も大変好調で、新築ビルへの賃貸契約も順調で、既存ビルの賃料改定もリーマンショックの頃からかなり戻しているそうです。

 

そこで、分譲マンションの引渡し時期を先送りして、売上計上時期を遅らせているそうです。

 

住友不動産サービスの契約更新辞退の一因?

ここからは、私の意見ですが

 

以前、分譲マンションの管理業務を行っている住友不動産サービスにおいて、1割の管理物件に対して、契約更新辞退の申し入れを行ったという記事をご紹介しましたが、その背景の一つに2020年以降に引渡し時期を先延ばしする程に、好調な親会社の業績が影響しているかもしれません。

 

小規模な中古分譲マンション管理組合の心構え

不動産会社の堅調な業績を背景に、

 

 

 

「管理員などの人手不足、人件費高騰、不採算物件の増加・・・」これらの事情は、今後も変わらず、深刻化すると思います。 

 

従って、管理会社が管理受託規模の拡大を求めた時代から、規模の拡大は犠牲にしても効率と利益重視の管理会社が増えてくると思います。

 

 

 

とすると、ある日突然、管理委託費等の値上げを求められ、値上げが認められない場合は、管理契約更新辞退の申し入れを受けることが、戸数100戸以下の小規模分譲マンションでは、多発するかもしれません。

 

 

 

そうならないため、そうなっても困らないために、管理会社に丸投げでなく、自主的運営を目指して、マンション管理組合、マンション管理会社、マンション管理士の3者が協力して運営を行うことが必要です。