ブログセミナー・パート①

そもそも世の中には、「賃貸マンション」と呼ばれるものと「分譲マンション」と呼ばれるものがありますが、違いはなんなのでしょうか?

 

建物・設備のグレードの違いのでしょうか?

分譲マンションは高級感に溢れていて、賃貸マンションは安っぽいのでしょうか?

 

決してそうとも言えません。よく有名人などが家賃何十万、何百万もする賃貸マンションに住んでいるなどの話も聞きます。そういうセレブ向けの賃貸マンションも数は少ないかもしれませんが一定数存在します。

 

もっとも根本的な違いは所有形態と維持管理の方法の違いです。

 

賃貸マンションは建物全体を一人のオーナーが単独所有します。従って維持管理に関しても専有部分(各住戸内)も共用部分も建物オーナーの責任で維持管理されます。基本的に賃借人が専有部分も含めて修繕することはありません。

 

これに対して分譲マンションは専有部分(各住戸内)は各区分所有者が所有し、維持管理も各区分所有者が各々行います。また共用部分(共用廊下・階段、エレベーターなど)も各区分所有者の共同所有となり、維持管理も共同で合議制の下行われます。当然に費用負担も共同で負担することになります。

 

ですから、賃貸マンションの場合は建物・設備の修繕をするかしないかは一人のオーナーの判断で結論が出せますが、分譲マンションの場合は、共用部分の修繕をするかしないか、どの程度お金を掛けるかなどは、各区分所有者全員で話し合い結論を出していくことになります。

 

また、マンション内における各種ルールなども賃貸マンションの場合は、オーナーが決めて賃借人が従うことになりますが、分譲マンションの場合は、みんなで話し合い合意された各種ルールをみんなで守っていくことが求められます。だれか一人(例えば理事長)が単独で決められるものではありません。

マンション管理組合とは、分譲マンションの維持運営を各区分所有者が共同で行っていくための共同組合のことです。

 

区分所有法という法律に記載されています。

 

また区分所有法には、区分所有者が2人以上となった時点で自動的に成立することになっています。

 

なにか特別な手続きがあって初めて成立するものではありません。よく聞かれるのが、私はマンション管理組合への加入申し込みも手続きもした覚えがない、管理組合から脱退したいと言われる方がいますが、ある分譲マンションの区分所有者となった時点でその分譲マンションの管理組合に加入したことになりますし、管理組合から脱退することもできません。

 

逆に売却などで区分所有者でなくなったたら、自動的にその分譲マンションの管理組合員でなくなります。

 

区分所有者である限り、その分譲マンションに住んでいなくても管理組合員です。管理組合員としての義務と責任を果たすことが求められます。

 

一方賃借人など区分所有者でない住人は、マンションに住んでいても管理組合員とはなれません。

総会(集会)とは、区分所有者が参加して、管理組合運営の重要事項を多数決で決定する会合です。年に1回決まった時期に開催しなければなりません。これを一般的には通常総会・定期総会と言われます。これ以外に開催される総会は臨時総会と呼ばれます。

 

例えば、理事会の役員の選出。前年度の業務及び会計報告の承認。今年度の予算計画の承認などを行う会合です。株式会社で言えば「株主総会」みたいなものです。

 

理事会とは、区分所有者から複数名が選出されて、総会で決定された方針に従い、具体的な事項を意思決定していく機関です。月に1回程度の頻度で開催されるのが望ましいですが、数カ月に1度の開催の管理組合も多くあります。

 

例えば、年間予算枠内で必要となった小規模修繕工事の発注先。発注金額などを決定します。

株式会社で言えば「取締役会」みたいのものです。