普及しない第三者管理者制度

活用した(3.5%)/活用する意向(11.9%)

2021年3月名古屋市は分譲マンション実態調査結果を報告しました。

 

調査は名古屋市内の全分譲マンション(5,720 棟/203,273 戸)を対象とし、回答数は2,975 棟(52.0%)でした。

 

その中で、役員として外部専門家を活用したことがある組合は73組合(3.5%)でした。一方活用したことのない組合は1,868組合(88.7%)でした。

 

今後、外部専門家を活用する意向があると回答した組合は251組合(11.9%)で、

意向がない組合は1,559組合(74.0%)でした。

 

必要性感じない(851組合)

 

活用しない理由を尋ねたところ、851組合は「必要性を感じない」

また、254組合は「報酬を支払う余裕がない」でした。

 

組合運営上の課題について

一方、管理組合を運営していく上で不安な点を確認すると、「区分所有者の高齢化」「居住者の高齢化」の2項目が突出し、次いで「役員の選任が困難」「積立金の不足」などとなっています。

 

マンションの老朽化対策の議論の状況

老朽化問題を議論したことのある組合は882組合(41.9%)で、したことない組合は1,065組合(50.6%)です。

 

 

議論の状況について確認すると「修繕や改修の方向で議論し、具体的な検討をした」が462組合と最も多く、次いで「議論したが具体的な検討に至っていない」が276組合となっています。

 

このように、居住者の高齢化、役員のなり手不足、マンションの老朽化、積立金の不足などの問題を抱えているのに、外部専門家の活用の必要性を感じないのは何故なのでしょうか?

 

ちなみに、調査対象5,720棟の内、

築30年超えは2,707棟(47.3%) 戸数30戸以下は57.3%、50戸以下は79.0% と

高経年で規模が小さいマンションが多い状況があります。 

無関心と丸投げが原因

必要性を感じない大きな理由は2つ 「組合活動に無関心」と「管理会社に丸投げ」にあると思います。

 

住民の多くが、組合活動に無関心で、自分が住むマンションの将来について考えることがない。少なくとも自分が関わるべき問題ではないと考えています。

 

そのために管理会社あるのであって、任せておけば、大丈夫だと勘違いしていることが原因だと思われます。

 

また、管理会社以外にマンション管理士などの専門家を別途採用すれば、費用が新たに増える。そんな余裕はない。

マンション管理士を活用するメリット

マンション管理士を理事会役員や管理者として採用するメリットはたくさんあります。

 

まず、管理会社は、あなたが住むマンションの将来について、考えてくれません。

管理組合自身が考えるべき問題です。管理会社は当面の売上利益の確保をどうするかに関心があります。

 

一方、専門知識も時間もない管理組合員(区分所有者)が、ご自身の仕事を抱えながら、マンション管理の諸課題に対応るのは困難です。

 

建物設備の老朽化、住人の高齢化、さらには、マンションの建て替えや長寿命化、取り壊し&敷地売却などの合意形成。

 

住人の高齢化への対応、賃貸化・空き家化などの組合運営における深刻な問題。

建物設備の修繕対応と修繕積立金の積立不足対応。住民間のトラブル問題など。

 

これらの諸問題課題を長期的視点で、いかに少ない費用で対応していくか?

継続的に対応できるのは、管理組合の立場にたって支援するマンション管理士です。

 

マンション管理士を採用することで、一時的に経費が増えても、中長期的には経費を大幅に削減できます。

 

あるマンションでは、組合独自に建物設備の修繕対応についての見積取得を行ったところ、管理会社提案の見積額と比較して、数百万円から数千万円単位で費用削減ができています。

 

また、地道な広報活動の結果、防災意識も高まり、組合活動に積極的に関わるようになり、住民間のトラブルも減少しました。

 

マンションの資産価値もアップして、賃貸化・空き家化の問題も縮小傾向にあります。

 

このように、知識・経験があり、仕事として時間を振り向けることのできるマンション管理士を管理者や理事会役員として採用することのメリットは非常に大きなものがあります。