目的外使用

○△×号室に最近、人の出入りが多いのですが?マンションは一般的には居住目的のものです。

事務所や店舗としては使用できません。

 

最近お隣さん、人の出入りが多いけど?なんで?

「隣に人が越してきたらしいが、いやに、人の出入りは多いな!?

それに、結構、音楽や話声もよく聞こえるし!?駐輪場付近に部外者の自転車も多いし!?」

 

「なんだか、ヨガ教室みたいよ。」

 

「そんなことしてもいいのか!?ここはマンションだぞ!!」

用途変更

こうした利用を周りの住戸にされたら、気が休まらないし、ちょっと深刻です。

 

教室だけでなく、事務所、店舗、ウィークリーマンション、高齢者用施設、保育室、シェアハウス、暴力団事務所、宗教関連施設になっていたなど、通常に想定している使い方から大きくかけ離れた使い方をする事例が出てきています。

管理規約で利用の制限

マンションの管理規約で、住戸の利用について、どのような制限があるかを確認してみましょう。

管理規約は区分所有者相互の契約です。

 

借りて住んでいる人もこれに従う必要がありますし、区分所有者と一緒に住んでいる家族も同様です。 

 

「住居専用」と規約で決めてある場合には、事務所等にすることはできません。

また、一部事務所などへの用途変更を認める場合でも、規約で利用の仕方を決めておくことが可能です。

 

無断で用途変更にした場合

では、管理組合に無断で用途変更にした場合はどうなるのでしょうか。 

 

規約で「住居専用」となっている場合には、規約違反となり、こうした態度に対して、「明け渡し」を求めた裁判結果もあります。

 

この裁判例では実際に周りにどのようにどの程度迷惑をかけているのかではなく、規約に反する態度が共同の利益に反するとされました。

 

しかし、多くの例では、用途変更することで、部外者が多く出入りする、音がうるさい、大きな看板が掲げられているなど、用途変更した人と他の区分所有者の利益を様々な視点から比較し、「用途変更するのをやめろ」という結論が出されます。

 

この際に、1つの大きな判断指標が規約にどう書いてあるかになります。 

 

では、規約に特に「住居専用」と書いていなければ何をしてもよいのでしょうか。 

 

そうではありません。まわりの住戸に迷惑をかけている場合には、区分所有法6条1項に定める共同の利益に反する行為として禁じられる場合があります。

 

管理組合の常日頃の対応が大事

規約に書いてあると、用途変更したらいつでも「規約違反だ!出ていけ!」と言えるのかというと、そうではありません。管理組合のいままでの対応が問われます。 

 

規約で「用途変更禁止」であるにもかかわらず、長年、用途変更して使われる住戸があり、それに対して管理組合が何もしていなかった場合に、突然「出ていけ」というのは、権利の乱用と見なされるでしょう。

 

管理組合がすべきこと

規約でどのような使い方が可能か、事務所等への用途変更が禁止の場合には、明記しておきましょう。 

 

そして、規約を適切に運用していきましょう。

ルールがあっても守られないのであれば、規約が存在する意味がありません。

 

ルールは守るためにあるのです。

ですから、守っていない人にはきちんと警告を行い、遵守されるように取り組む必要があります。 

 

さらに、リフォーム工事の承認等の際に、きちんとチェックしていきましょう。管理組合内で連携し、しっかりと情報を共有することが問題の予防に大きくつながっていきます。

 

最後に…

最近、マンションの空き住戸などを「民泊」として活用することが話題となっています。このような動きに対してもどうするのか(認めるのか/認めないのか)

 

適時、管理規約の見直し検討が必要となってきています。