決算準備

決算報告は通常総会の承認事項です。

 

このため、通常総会の召集(通常総会の通知を発送する)期限を確認する必要があります。

 

招集通知には、決算報告資料を添付する必要があります。

 

 

 

まず行うことは、

(1)通常総会の開催予定日を決める

(2)監査の実施予定日を決める(監事による監査が余裕を持ってできるよう、予備日も含めて決めておきます)

(3)作業手順の日程を決める

   

     1)決算日(年度末)以前に行っておくこと

  ・今年度の収支の9ヶ月分の実績資料の作成。

  ・請求書および領収書などの証憑書類の整理と確認

  ・通帳の記帳と預金口座名義の確認

  ・残高証明書の発行依頼準備など

 

   2)決算日(年度末)当日に行うこと

  ・手許現金がある場合には現金実査

  ・通帳、保険証券などの確認

  ・管球類などの消耗品在庫や固定資産の実査など

 

   3)決算日(年度末)以後に行うこと

 

・決算手続きに必要な資料の入手

  ・決算書類案の作成

  ・収益事業があり、法人税や消費税などを申告している場合には、税金計算の手配

  ・決算書種類案のチェックなど

 

次期予算案策定資料を作成

次の年度の予算案を作成するために、今年度の収入・支出がどのくらいであったのかを把握する資料として、今年度の実績が9ヶ月過ぎた時点で収支計算書を作成する作業が必要となります。

 

予算案を策定するには、今年度の収入・支出の実績だけでなく、来年度の事業計画や、その他の経済動向も考慮する事が必要になりますが、基礎となるのは今年度の収入・支出の実績です。

 

チェックポイントは月ごとの収入と支出を見ていき、毎月発生する支出であるにもかかわらず、発生していない月はないか?12ヶ月経過していないのにすでに予算と同額か予算超過となっている項目がないか注意することです。

 

もし、そのようになっている項目が発生している場合は支払った請求書を確かめ、仕訳に間違いがないか検討したり、間違って他の科目に計上していないかを確かめるために、予算を設定していないのに実績が生じている科目はないか調べます。

 

証憑書類の整理と確認

整理する場合には、請求書と領収書の双方を入手している支払先について入手もれがないか、支出の明細と1件ずつ照合し、後日、理事会で報告するときや監事の会計監査でチェックしやすいように、整然とファイリングしておきます。

 

今年度の証憑書類として、請求書を貼付し、次の年度の証憑書類として、振込み依頼書兼受領書など支払いを証明する書類を貼付するのが妥当であると考えられます。

 

請求書を毎月発行せず、基本契約書でその旨を記載し、請求書の発行を省略する場合もあります。

 

例として、リースなどの毎月定額の委託業務の場合、また、支払いを現金でなく、支払先の預金口座へ振り込む場合には、振込を行った金融機関が発行する振込み受領書はありますが、支払先からの受領書が送付されるケースは少ないと思います。先方に要求して受領書を入手しておけば、支払いの妥当性を裏付ける、より強力な証拠となるこも確かです。

 

しかし、請求書・受領書の両方を入手することでえられる効果を比較すると必ずしも必要があるとはいえません。

 

このため大規模修繕工事のように1件で数百万円になるような重大な支払いの場合は必ず請求書・受領書を入手することとし、一定金額未満の支払いについては請求書と振り込み依頼書でよいなどのルールを決めて、これを守るのも一つの方法ではないかと思います。

 

預金口座に関する準備

管理組合の重要な財産である預金口座に関して、事前に確認します。

 

口座名義を管理組合の理事長名義にしている場合には現在就任している理事長の氏名に名義変更されているかを確かめます。変更されていない場合は早急に名義変更の手続きを行いましょう。

 

ペイオフ対策のためや、駐車場などの会計があり、会計数が多い管理組合で、複数の金融機関を利用している場合は、全ての講座名義が一致していることを必ずチェックしてください。

 

現金残高を確かめる

管理組合で出納用として手許現金がある場合には、決算日における現金在高を確かめる手続きを行います。

 

次の点も併せてチェックします。

1.現金過不足が生じてないか。

2.未清算の現金がないか。

3.決算日以前に出金処理をしたが、本人に見渡しのため、まだ現金が手許に保管されているものはないか。

 

現金実査は、使い込み、現金の一時借用や立替の清算もれを発見・要望する非常に大切な手続きですので、理事だけではなく監事も是非立ち会うことをお奨めします。

 

決算手続きに必要な資料の入手

1.通帳記帳と残高証明書の入手

 

決算日までの入金取引を通帳に記帳し、定期預金でも通帳があれば記帳を行った上で、決算日における管理組合名義の全ての預金口座の残高証明を入手します。

 

その際、すまい・る債を購入している管理組合は預金口座だけではなく、すまい・る債についても残高証明書を忘れないように気をつけてください。

 

大規模修繕工事の支払い代金などの一部を金融機関からの借入れで賄い、決算日現在、借入金の残高がある管理組合の皆さんは、預金だけではなく、借入金についても残高証明書を入手するひつようがありますので留意してください。

 

2.請求書・領収書の入手

 

決算日が到来する前に、請求書・領収書をあらかじめある程度整理しておき、決算日が過ぎたら、収支金額が固まりますので、もれなく入手したか、未着の請求書・領収書はないかをチェックしていきます。