駐車場設備定期点検

マンション設備の中で、維持費が高い機械式駐車場ですが、マンションには各都市の条例や指導要綱によって駐車場の設置が義務付けられています。その必要台数は各行政区によってことなります。

 

駐車場設備種類別比較

タイプ 建設費 維持管理費 メリット デメリット
平面式 30万円 ほぼ0円 建設費・維持管理費が安い 必要敷地面積が大きい
自走式立体プレハブ 60~70万円 1万円 建設費・維持管理費が安い

対面通行の場合、

衝突の危険が高い

自走式立体建物 100万~150万円 1万円 維持管理費が安い、駐車が容易

対面通行の場合、

衝突の危険が高い

機械式立体垂直循環 300万~350万円 10万円 必要敷地面積が小さい

建設費、維持管理費が

高い。

入出庫時間が長い

機械式立体多層循環 300万~400万円 10万円 多層化すれば、大規模化が可能

建設費、維持管理費が

高い。

入出庫時間が長い

機械式立体エレベーター 170万~300万円 10万円 必要敷地面積が小さい

時間当たりの処理台数は

少ない

機械式立体多段式 100万~150万円 7万円 機械式では、建設費が安い

後退駐車が必要

入出庫時間が高い

※建設費は、自動車1台分当たりの費用です。

※維持管理費は、保守点検費用、電気代、保険代も含む自動車1台当たりの年間費用です。

 

機械式駐車場の保守点検回数

エレベータとは異なり、機械式駐車場の保守点検は、法定点検ではありません。

 

管理組合が自主的に行っています。定期点検を受けていない機械も存在します。但し、事故も少なからず発生しており、死亡事故も発生しています。

 

年間点検回数は、4回、6回が多く、タワー式では12回が多い。

 

メーカー系と独立系保守会社

  メリット デメリット
メーカー系

製造元であるため、不具合、故障しやすい箇所を把握しています。

部品の即時出荷が可能

保守点検価格が高い
独立系 保守点検価格が安い

多くのメーカーを手がけるため、単数の機種の故障データの蓄積が少ない

部品供給も遅れる傾向あり

FM契約とPOG契約

エレベータの保守契約と同じで、FM(フルメンテナンス)契約とP.O.G(部分メンテナンス)契約の2種類があります。

 

FM契約・・・劣化した部品の取替え、修理費用を月々の定額契約料金に含むます。

P.O.G契約・・・劣化した部品の取替え、修理費用を月々の定額契約料金に含みません。別途費用が必要となります。

  契約範囲内 契約範囲外
FM契約

主ワイヤー、ガバナーロープ、移動ケーブル、ベアリング

制御リレー、プリント基板、押しボタン

 パレット仕上げ、敷居、運転盤カバーなど
POG契約

ヒューズ、可動固定コンタクト、照明、パーツ類、

点検用油脂類、補給オイル

ベアリングおよびメタル用

主ワイヤー、ガバナーロープ、移動ケーブル、

ベアリング、制御リレー、プリント基板、押しボタン、

パレット仕上げ、敷居、運転盤カバーなど

機械式駐車場は、20年前後で各種の部品交換が必要となり、全面的な更新(交換)が必要となりる場合があります。

築後15年前後では、利用状況を考慮して、維持管理が継続していけるかどうか検討を始める必要があります。