公的年金と私的年金の違い

例えば公的年金の代表である国民年金は、20歳~60歳未満の人は強制加入で運営主体は国で、社会全体でお年寄りを支える仕組みです。一方私的年金の代表である生命保険会社などの年金保険は加入はもちろん任意で運営主体は民間の保険会社などで、個人が自分や家族のために積み立てるものです。


公的年金の5つの優位な点

公的年金には私的年金に比べて大きく5点程優位な点があります。

 

1点目:公的年金の保険料は課税所得から全額が控除されます。

 

給料明細を見れば、厚生年金の保険料はその全額が控除されて、控除後の金額に税率が掛けられます。これに対して私的保険の保険料はそのごく一部しか控除されません。

ですから例えば、年間20万円の国民年金保険料は所得税率10%とすれば2万円の節税ができますが、私的年金では4万円しか控除されませんので、4千円の節税にしかなりません。

 

2点目:公的年金では物価上昇など年金価値減少にも対応してくれます。

 

公的年金では、物価上昇などで将来受け取る年金価値が下がる場合にも、実質的価値を保障してくれます。これに対して私的年金ではこのような保障はありません。

例えば現在見込みで年間100万円の年金価値は、20年後、30年後物価が50%UPすれば、150万円近い年金額が支払われる仕組みが用意されています。

私的年金にはこのような仕組みは最初から用意されていません。

 

3点目:公的年金は終身年金で遺族にも終身で遺族年金が支給されます。

 

公的年金は終身年金で、条件さえ合えば老齢年金受給者の死亡後に遺族年金までも終身で受給できます。私的年金では終身年金のタイプもありますが、有期年金タイプが中心となります。

 

4点目:年金原資には保険料以外に税金が投入されています。

 

年金原資に保険料だけでなく、国庫負担(税金)が投入されています。

国民年金の場合、年金原始の2分の1が国庫負担されています。

失業などの場合、申請すれば保険料は全額免除されます。それでもあなたの分の国庫補助はそのまま継続されます。私的保険ではこんなことはありえません。

 

5点目:保険運営に関わる事務経費にも税金が投入されています。

 

保険運営に関わる事務経費に対しても、国庫負担(税金)が投入されています。私的保険では保険料のかなり部分が保険会社の人件費などの事務経費に利用されています。

 

 

以上見てきましたが

公的年金はあてに出来ないから、私的年金で老後の備えをと主張される方がいますが、

公的年金があてにできない以上に私的年金は効率が悪く、保険会社の経営者や一部のトップセールスマンを喜ばせるだけです。

 

同じ20万円の保険料を払うなら、国民年金の保険料をまず払いましょう。