メリットとデメリット

「これからのマンション管理者方式」を導入した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 

 

また、デメリットは無いのでしょうか?


メリット


理事会役員の時間的・精神的負担が軽減されます。

 

会社勤務・自営業に関わらず仕事を持ちながら、管理組合役員をすることは時間的にも、精神的にも大変大きな負担です。

 

定年退職などで仕事を引退して、時間的に多少ゆとりが出来たとしても、このことばかりに関わっている訳にもいかず、時間的・精神的に大きな負担であることには、さほど変化ありません。

  

そもそも専門知識・経験もなく、十分な時間もなく、マンション管理組合の役員の仕事をすることには無理があります。

 

専門知識・経験があり、仕事として、時間を振り向けることのできるマンション管理士が理事長に代わって管理者業務を行うことで、理事長はもちろん、副理事長、会計担当理事、理事、監事などの管理組合役員の負担が大幅に軽減されます。

 

《管理組合の理事長(管理者)としての業務事例》

  • 日々発生する様々な承認(決済)対応
    • 小規模修繕実施に伴う事項
    • 入退去手続き
    • 駐車場・駐輪場の契約・解約手続き
    • 専有部分のリフォーム承認手続き
    • 保険事故発生時の手続き
    • 各種支払承認手続き  など
  • 管理会社からの月次報告(業務・会計)内容確認
  • 理事会の開催準備と理事会運営及び議事録内容確認
  • 管理会社からの年次報告(業務・会計)内容確認
  • 管理会社からの次年度計画内容確認
  • 総会の開催準備と総会運営及び議事録内容確認
  • 大規模修繕や規約改正、ペット飼育など各種専門委員会運営
  • 居住者からの管理会社など各取引先に対する苦情受付
  • マナー違反居住者などへの対応
  • 管理費・修繕積立金などの長期滞納者に対する対応
  • 居住者間の各種トラブル対応
  • 近隣住民(自治会等)との交流対応
  • 近隣住民との各種トラブル対応
  • 大規模修繕工事実施に向けての組合員の合意形成
  • 大規模修繕工事施工会社の選定対応(契約締結迄)

管理業務の品質向上が図れます

 

輪番制で毎年交替する組合員理事長では、今年も過去と同じく、何事もなく一年が経過することに力点が置かれて運営されるのは無理からぬ事です。

    

 専門知識・経験があり、仕事として十分な時間を振り向けることのできるマンション管理士が、管理組合の管理者になることで、長期的な視点に立った業務運営を行うことができます。  

 

  • 次回の大規模修繕工事に備えて修繕積立金は十分なのか?
  • 修繕積立金の値上げは必要ないのか?
  • 管理費の引き下げは可能なのか?
  • 駐車場空き区画が増えて駐車場収入が減少しているが何か対策はないのか? 
  • 高齢者のみの居住者が増えているが何か対策は必要か? など

また管理会社などの行う業務内容をしっかり内容確認することで、管理組合と管理会社の間によりよい緊張関係が構築され管理会社のマンネリ対応(手抜)を抑制することが出来ます。 



管理費用の削減が図れます

 

管理会社も企業ですから、売上・利益の増加に努力するのは当然です。

管理会社担当者も売上目標を持っています。 

  

専門家であるマンション管理士が、不必要な委託作業はないか? 

割高な委託費用はないか? コストダウンの努力はされているか? 

と内容確認することで、管理費用の削減が図れます。

 

工事発注を管理会社に丸投げでなく組合直接発注に切り替えるだけで、数百万円から数千万円単位で削減できる場合があります。管理会社は、通常10%から40%粗利を取っています。

   

またマンション管理士が管理組合管理者となり、理事会・総会の運営支援など業務の一部を肩代わりすることで、管理会社担当者の業務削減が図られます。

   

管理会社担当者は、専任のマンション管理士を交渉相手とすることで、効率的な仕事ができるようになり、業務にかける時間が少なくて済むようになります。

  

このように管理会社担当者の業務削減と効率化の面からも管理費用の削減が図れます。 


より良いコミュニティ形成が図れます

 

専門知識・経験があり、仕事として十分な時間を振り向けることのできるマンション管理士が管理者となり、コミュニティ形成のために、防災訓練、避難訓練の実施、ペット飼育、植栽管理など各種イベント・サークルなどの企画・運営を行います。 

  

より良いコミュニティは、居住者間のトラブル発生の防止・解決や、多額な費用が必要となり利害関係が発生する大規模修繕工事対応や建替え対応にかかわる合意形成に大変重要です。 


デメリット


マンション管理士による不正が発生するのでは?

 

マンション管理士が関係する施工業者などに業務を発注し、リベートを受け取る。 

管理組合口座からの不正出金(横領)などが、起こるのではないか?  

 

提案の「これからのマンション管理方式」においては、理事会は廃止しません。   

 

理事長、副理事長、会計担当理事、理事、監事などが、マンション管理士の業務実施状況を適時監査することで、不正発注などの防止が図れます。

 

管理組合名義の通帳・印鑑は、理事長や会計担当理事が保管することで、不正出金などを防止します。 

 

また、管理会社が今まで通り、出納業務や建物・設備管理業務を行います。 

 

マンション管理士・理事会・マンション管理会社の3者間での相互チェックが働きますので、今まで以上に不正防止機能がUPします。 


マンション管理士採用により費用が増加するのでは?

 

確かに、マンション管理士を管理者に採用することで費用はかかります。 

  

但し、メリットの一つとして、管理業務の見直しによる管理委託費の削減と管理会社担当者が行っていた理事会支援などの業務削減や業務効率UPにより、管理費の削減が出来ます。

   

この削減分の一部を振り向けると考えれば、費用増加はなく、長期的に見ればむしろ費用は削減されるものと思われます。



管理会社の士気が低下するのでは?

 

管理会社にすれば、顧客であるマンション管理組合との間に、管理者として、マンション管理士が介在することは、気持ちの良いものではないかもしれません。  

 

いままで仲良くやってきたのに、管理会社の変更なども行われるのではないかと疑心暗鬼になるかもしれません。 

 

但し提案の「これからのマンション管理方式」においては、「管理会社変更ありき」ではありません。

   

今まで管理会社担当者が仕方なくやっていた、居住者のマナー違反者対応や理不尽な要求をぶつけてくるクレーマー対応などから解放され、マンションの資産価値の維持向上の為の対応に注力してもらうことになります。 

 

ですから初めは、士気の低下があったとしても、理解が進めば解消されるものと考えています。


管理組合員の組合活動への関心がより希薄化するのでは?

 

提案の「これからのマンション管理方式」では、理事会は無くなりません。   

 

管理者としてマンション管理士が長期的に支援します。 

理事長、副理事長、会計担当理事、理事、監事などの役員は、今までどおりの輪番制などで対応頂きます。   

 

また管理組合活動の現状をお知らせする「議事録」や「広報誌」「各種アンケート」などをマンション管理士が分かりやすい内容で、継続的に発行していきます。 

 

防災訓練、避難訓練の実施や防災マニュアル説明会の実施なども継続的に行っていきます。

 

今、どんな事が行われており、将来どんな事が課題となるかを知ることで、関心はむしろ高まるものと考えています。