トラブルと管理会社

ここは、ある管理会社の事務所です。

 

「○○マンション404号のAさんから『また、違法駐車されている。なんとかしてよ!』とのお電話で~す。」と女性社員の声・・・


昨日は、「上の階の子供が廊下を走り回ってうるさくて眠れない。親に注意してちょうだい!」

 

その前は、「ゴミ出しルールが守られていないわ。もっとルールを徹底させなさい!」

 

電話に出れば、また1時間近く話が続く、このクレーマーおばさん!ほんと腹立つな!

 

フロント担当のBさんは、お客様に暴言を吐くわけにもいかず、ただただ、Aさんの話を聞き、怒りがおさまるのをジッと耐えるだけです。

 

マンション管理会社の役割

マンション管理会社のフロント(営業担当)の役割は、管理委託契約書に記載の業務を推進する責任者です。そして、その中には、マンション居住者間のトラブル処理は、通常業務に含まれていません。

  

でも現実は・・・

 

マンションにおけるトラブルの50%以上が、「居住者間のマナー違反」であり、その解決のために約半数が、管理会社に相談(依頼)し、フロントに余分な負担をかけています。

 

トラブル原因は他に、「建物の不具合」「費用負担(滞納など)の問題」「管理組合の運営問題(役員の不当行為など)」「管理会社の問題」などもありますが、「建物の不具合」の問題にしても、交渉相手は、マンションの販売会社・施工会社であり管理会社ではありません。管理費や修繕積立金の滞納問題も管理組合員自身の問題です。

 

委託管理業務の不十分な実施に伴う「管理会社の問題」は、実は2%弱でしかありません。

(委託管理業務の内容に無関心である現れでもありますが・・・)

 

多くは管理組合内の問題であり、管理組合が主体となって解決に当たらなければならに問題であり、管理会社のフロントが解決するには限界があります。

 

フロントは、これらトラブル対応に多くの時間をさかれ疲れ切り、消極的となり本来の業務に支障をきたしています。

 

謝り上手が良いフロント

管理会社にとって、これまでは、「謝り上手」が良いフロントの条件でした。

 

管理組合でなにか問題があると、自分は悪くなくても、根本的な解決にならなくても、とにかく謝ることで済ませていたのです。

 

管理組合にとって信頼できる良心的なフロントほど、実は管理会社との板挟みになっています。

 

管理会社にとしては、フロントにできるだけ多くのマンションを担当させるほうが効率的です。

変な誠意を見せて、お金のとれない仕事など引き受けてもらっては困るのです。

 

管理組合の役員はほとんどが毎年変わりますから、問い合わせやクレームなど適当に受け流して、無駄なことをできるだけしないフロントの方が社内の評価が高かったりするのです。

 

でも、組合員だけで対処するのは困難です。

しかし、組合員(区分所有者)だけで対処するのは困難です。

 

専門知識もなく、時間もないのに、管理組合側でこれらの業務をどうこなしていくのか?

居住者間のマナー違反対応などは、当事者(区分所有者)は対応しずらく、第3者で専門家で経験者が対応した方が良いのではないか?

 

また、建物不具合に関しての分譲業者等との交渉などは、時間もかかるし、専門知識も必要と思うが?

 

これが、第3者で専門家であるマンション管理士が管理組合管理者として就任する方式が求められる理由の人一つです